01a5 栞子: 1012 なるほど……。ひと言に「記憶喪失」と言っても
その種類や原因は様々なのですね…… 01a5 栞子: 1013 あの方の場合は病気、感染症、頭部外傷でないことは
わかっているので、やはり心的要因によるものと考えられそうです 01a5 栞子: 1014 記憶を取り戻す方法というのも
いろいろと考えられてはいるのですね…… 01a5 栞子: 1015 あ、はい、どうぞ 01b4 園芸部部長: 1016 会長、花壇の肥料について相談したいことがあります。
今、大丈夫ですか? 01a5 栞子: 1017 もちろんです。入ってください 01b5 図書委員: 1018 会長、頼まれていた本の準備できてますよ 01a5 栞子: 1019 ありがとうございます 01b5 図書委員: 101a このところ毎日すごい量の本を読んでますね 01a5 栞子: 101b ええ、今はまだ基礎知識で精一杯ですけどね。
できればこの分野についてもっと見識を深めたいです 01a5 栞子: 101c あっ、あとこの本も一緒に借りていいでしょうか? 01b5 図書委員: 101d 了解でーす! 01a5 栞子: 101e (まずはこの本を読んで……次はこれ、その後にこれ。園芸部の―) 01a5 栞子: 101f いたた……不覚です、壁にぶつかるなんて…… 01a5 栞子: 1020 誰にも見られて― 01a5 栞子: 1021 きゃあっ!? 019e : 1022 うわっ!? 01a5 栞子: 1023 い、いつからそこにいたんですか? 019e : 1024 ええと……結構前から 01a5 栞子: 1025 見ました? 1026 select: 栞子ちゃんが壁にぶつかるところ?: 1027 select: えーーーと、なんのことかわからないな!: 019e : 1028 栞子ちゃんが壁にぶつかるところ? 01a5 栞子: 1029 恥ずかしいです! うう…… 019e : 102a えーーーと、なんのことかわからないな! 01a5 栞子: 102b すみません、フォローさせてしまって……
見ていましたよね、私が壁にぶつかるところ…… 019e : 102c う、うん…… 019e : 102d あの、大丈夫だった? 01a5 栞子: 102e ええ、なんともありません 019e : 102f 本に気を取られてたみたいだけど、一体何の……
あ、記憶に関する本だ…… 01a5 栞子: 1030 はい、あなたが置かれた状況を理解したくて 019e : 1031 気を遣わせちゃってるね…… 01a5 栞子: 1032 そんなことありません!
私が好きでやっていることなので気にしないでください 01b4 園芸部部長: 1033 会長ー! この前のこと、考えてもらえましたか? 01a5 栞子: 1034 ええ、なんとかなりそうですよ 01a5 栞子: 1035 ただ、もうちょっと調べさせてください。図書室に関連本があったので
何冊か読み比べて、どこまでできるか精査したいんです 01b4 園芸部部長: 1036 はい! お願いします! 019e : 1037 今のって……園芸部の人だよね? 何か頼まれてたの? 01a5 栞子: 1038 ええ、食堂で廃棄される野菜クズを使って肥料作りをしたいと
相談されたんですよ 01a5 栞子: 1039 実現できたら素晴らしいことです。なので私も肥料作りの知識をつけて、どういったやり方がベストなのか探っています 019e : 103a えっ……生徒会長ってそんな相談まで受けてるの!? 01a5 栞子: 103b そんな……とは? 019e : 103c 学園内で肥料を作りたい、とか 01a5 栞子: 103d 生徒たちが取り組みたいということはすべて私たち生徒会が
支援すべきことです。相談してもらえればなんでも検討しますよ 019e : 103e すごいな……。ねえ、よかったら私も何か手伝おうか?
知識はないけど体力はあるし、こういう本を借りたり返したり
雑用はできるよ! 01a5 栞子: 103f ふふっ、ありがとうございます。でも今は無理をしないでください 019e : 1040 だけど…… 01a5 栞子: 1041 あなたは自覚がないかもしれませんが、記憶をなくすということは
一大事です。体や心になにかがおきていたはず…… 01a5 栞子: 1042 私は心配なんです…… 019e : 1043 どうしてそこまでしてくれるの……? 01a5 栞子: 1044 あなたが私に同じようにしてくれたからです