01a6 しずく:
3229 「やっぱり、スクールアイドルへの情熱は無くなってなかったん
だね!」そう言ったあなたの笑顔に、私は可能性とトキメキを
予感しました……
01a6 しずく:
322a 「虹ヶ咲学園のスクールアイドル同好会は、グループ活動ってところに
こだわらないやり方をしましょう!」
そのひと言で、予感は確信に変わったのです
01a6 しずく:
322b 同好会としてはひとつにまとまるけど、
スクールアイドルとしては自分の理想を目指す
01a6 しずく:
322c 助け合いながら競い合う、仲間でライバル
01a6 しずく:
322d 私のスクールアイドルは、新しい光に照らされました!
01a6 しずく:
322e 新しい同好会で迎えた初めてのイベント、ソロのステージ、
そして初めての8位入賞、すべてはあなたの導きがあってこそ
01a6 しずく:
322f 私が私らしく伸び伸びと羽ばたける場所、あなたが作ってくれたところでこそ私らしく呼吸ができるんです……!
01a6 しずく:
3230 あなたに甘えたくて、お芝居の相手役をお願いしたことがありました
01a6 しずく:
3231 「先輩、私のお芝居の練習相手になってもらえないでしょうか?」
01a6 しずく:
3232 「私、お芝居なんてやったことないよ!
演劇部の人に頼んだほうが……」
01a6 しずく:
3233 「大丈夫です! セリフや演技はありません。
ただ私の前に立っていてくださるだけでいいんです。
演劇部の方が相手だと……ちょっと、恥ずかしくて」
01a6 しずく:
3234 身分の違うふたりが苦難を乗り越えて結ばれるストーリー
01a6 しずく:
3235 とっても素敵で、大好きなセリフ
01a6 しずく:
3236 それをあなたに向けて言いたかったんです……
01a6 しずく:
3237 それなのに、あなたを目の前にしたら、覚えたセリフが出てきません。あんなに繰り返し覚えたセリフなのに、うまく発声できない
01a6 しずく:
3238 あのときの私は、お芝居に入り込めていませんでした
01a6 しずく:
3239 あなたの前だから
01a6 しずく:
323a 「あなたを一目見た時から、私の心はあなたを求めてやまないのです」
「あなたを想うだけで、この身は燃えるように熱く―」
01a6 しずく:
323b 私が言えたセリフはここまで、
この先のセリフはどうしても言えませんでした
01a6 しずく:
323c 今の私なら……言えるのでしょうか
01a6 しずく:
323d 「私は、きちんと私を出せていたでしょうか?」
01a6 しずく:
323e 「私自身のことについては、
あまり深く考えたことがなかったので……」
01a6 しずく:
323f 「演じることを意識しないライブは、
私自身、どこに拠り所をおいていいのかわからなくて……」
01a6 しずく:
3240 「みんなは、どうやって
スクールアイドルをしているんでしょうか……?」
01a6 しずく:
3241 私が「演じる」ことについて疑問を持ったときに
向き合ってくれたのもあなたでした
01a6 しずく:
3242 ただ、どれだけ悩んで試してみても、結論はひとつ
01a6 しずく:
3243 私にあるのは「演じたい」という気持ちだけ
01a6 しずく:
3244 「だから、私はこれからも演じ続けます」
01a6 しずく:
3245 「うん……しずくちゃんがそう決めたなら、それが正解だね」
01a6 しずく:
3246 あなたの言葉が私の背中を押してくれました。「演じたい」という
想いだけで、スクールアイドルをやっていく決意ができました
01a6 しずく:
3247 あなたと私のふたりで、思い描ける限りの
スクールアイドルを演じるんです!
01a6 しずく:
3248 壁はいつでも立ちはだかります。
低いものから怯んでしまうくらいの高さのものまで
01a6 しずく:
3249 今までの私なら、ひとりで果敢に挑戦していたでしょう
01a6 しずく:
324a そして、それが私を強くもしてくれる……
01a6 しずく:
324b でも、私はあなたに教えてもらうことができました
01a6 しずく:
324c 誰かと一緒に乗り越えられた壁から得られるものは、強さだけじゃない
01a6 しずく:
324d あなたと心を通わせることができた思い出……
私にとって、何よりかけがえのないもの
01a6 しずく:
324e あなたと交わした言葉、目線、気持ち……すべてが私の糧となり、
私を生かしてくれるのです……
019e :
324f (涙が止まらない……私はこんな時間を過ごしてきたんだ)
019e :
3250 (こんなに想ってもらえてた。どうして忘れちゃったんだろう)
01a6 しずく:
3251 桜坂しずく、ひとり芝居でした。
ありがとうございました!
019e :
3252 (うう、泣いていられない、
次はしずくちゃんのライブパートだもん!)
3253 select: (やっと実際に聴けるんだから、集中しなくちゃ):
3254 select: (でも頭が切り替わらないよ……):
019e :
3255 (やっと実際に聴けるんだから、集中しなくちゃ)
019e :
3256 (でも頭が切り替わらないよ……)
019e :
3257 (…………)
019e :
3258 (……あれ?)
019e :
3259 (ステージが暗いままだ。曲も始まらない……?)
01a6 しずく:
325a 音が出ない……トラブル?
01a6 しずく:
325b どうすべきか冷静に考えて……そうだ!
01a6 しずく:
325c ワン、ツー、スリー、フォー、ワン、ツー、スリー、フォー
01a6 しずく:
325d ふう、今日の自主練は終わり
01a6 しずく:
325e ああ、でも不安だな、もう少し頑張ろうかな
019e :
325f (え、なに? まだお芝居のパート……?)
01a6 しずく:
3260 まだまだみんなに比べたら未熟だもの。
いつか私もステージの真ん中に立てるように……
01a6 しずく:
3261 きゃっ、す、すみません! 大丈夫でしたか!?
01a6 しずく:
3262 私は平気です。あっ、それは……!
01a6 しずく:
3263 か、返してください、それは大事な台本なんです!
01a6 しずく:
3264 私の役……ですか? ええと……婦人その2です
01a6 しずく:
3265 なぜ婦人その2なのにヒロインのところにばかりメモ書きが、って!? な、なんで見ちゃうんですか! 返してください!
01a6 しずく:
3266 痛いところを突かれて慌てるようじゃ役者として
まだまだだね、って……。そんなのわかってます!
そんなの、自分が一番……
019e :
3267 (あ、わかった! これ、あの曲のお話なんだ!)
019e :
3268 (あの曲の子が、目の前にいる……
曲の中にしかいないと思った子が……)
01a6 しずく:
3269 え? 今、なんて?
01a6 しずく:
326a わ、私なんかじゃヒロインは務まりません!
楽しみにされても困ります! あなたが言うようにまだまだなんです!
01a6 しずく:
326b …………だけど、待ってくれるというなら、私、頑張ります……!
019e :
326c (あ、これから曲が始まる……!)
019e :
326d (しずくちゃんの曲が……!)