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019e <firstname>:
0dde はあ……はあ……
01a3 せつ菜:
0ddf 大丈夫ですか?
019e <firstname>:
0de0 頑張る~。せつ菜ちゃん、よくこんなところ知ってたね?<br>キャンプも趣味なの?
01a3 せつ菜:
0de1 趣味……とまではいかないんですが、最近キャンプの楽しさを知って<br>興味を持ったところです
019e <firstname>:
0de2 そうなんだ
01a3 せつ菜:
0de3 以前、バスケ部の部長さんと2年生のみんなとで<br>来たことがあるんですよ
0de4 select: ……もしかして、私も?:
0de5 select: そうなんだ:
019e <firstname>:
0de6 ……もしかして、私も?
019e <firstname>:
0de7 そうなんだ
01a3 せつ菜:
0de8 あなたも一緒だったんですよ
019e <firstname>:
0de9 私も?
01a3 せつ菜:
0dea はい。スクールアイドルファンサイトというところから<br>「あなたの夢中を教えてください」という企画依頼をいただいたんです
01a3 せつ菜:
0deb 私たちが今ハマっているものについて動画を撮って、<br>それをファンサイトに掲載する、というものでした
01a3 せつ菜:
0dec ちょうどその頃アウトドアに興味があったので、<br>じゃあキャンプに行こうということになりまして
019e <firstname>:
0ded そうだったんだ。その時は何したの?
01a3 せつ菜:
0dee 釣りをしたり、食用の野草を探したり、バーベキューに<br>キャンプファイアー、満天の星空のもと語り合ったりもしましたし……<br>とにかく、とっても素敵な時間を過ごせました!
01a3 せつ菜:
0def 今回は自分の内側を見つめ直すことが目的ですが、<br>またあなたと来ることができて嬉しいです!
019e <firstname>:
0df0 おなかいっぱい……
01a3 せつ菜:
0df1 大自然の中だと、レトルトのご飯もおいしいですね
01a3 せつ菜:
0df2 本当はちゃんとお料理をしたいところですが、<br>今日は目的があるので……
019e <firstname>:
0df3 うん
019e <firstname>:
0df4 ……ほんと、なんで忘れちゃったのかな
019e <firstname>:
0df5 同好会のみんなは優しいし、みんな仲良くて雰囲気もいいし、<br>今日だってせつ菜ちゃんとすごく楽しめているのに
01a3 せつ菜:
0df6 今のあなたは、記憶がないというか、スクールアイドルを知る前の<br>状態に戻った感じですよね
01a3 せつ菜:
0df7 その頃のあなたを、私は知りません。だから教えてもらえませんか?<br>スクールアイドルを知る前に好きだったこと、夢中だったこと……
019e <firstname>:
0df8 好きだったこと、夢中だったこと……かあ。うーん、そうだなあ……
019e <firstname>:
0df9 授業は……まあ苦手科目は別として基本的に楽しいよね。ピアノを弾くのも好き。歩夢ちゃんと出かけるのも楽しいし、あとは……
019e <firstname>:
0dfa あとは……なんだろ? 思いつかないけど、<br>別に日常に不満はないし、普通に生活してたよ
019e <firstname>:
0dfb これって……変なのかな?<br>好きでたまらないとか夢中で止まらないとか、せつ菜ちゃんはある?
01a3 せつ菜:
0dfc あります。私にとってのそれは、スクールアイドルです
01a3 せつ菜:
0dfd ……と、今なら胸を張って言えますが、昔の私は違いました
01a3 せつ菜:
0dfe 私、中川菜々と優木せつ菜を使い分けていますよね?
019e <firstname>:
0dff うん、そうみたいだね
01a3 せつ菜:
0e00 どうしてだと思いますか?
019e <firstname>:
0e01 どうして? そうだな……<br>せつ菜ちゃんは戦隊ヒーローとか好きだから……変身願望?
01a3 せつ菜:
0e02 ふふっ、今はそういうところもあります。でも最初は違うんです
01a3 せつ菜:
0e03 中川菜々は優木せつ菜を隠していたんです。<br>中川菜々は両親の期待通りの優等生であらねばならない、<br>スクールアイドルなんてもっての他でした
01a3 せつ菜:
0e04 優木せつ菜は中川菜々にとって必要ない存在、だけど私はどうしても<br>優木せつ菜を捨てることはできませんでした。<br>だから隠していたんです
019e <firstname>:
0e05 せつ菜ちゃん……
01a3 せつ菜:
0e06 でも、隠し事って辛いです。大好きな両親に嘘をついていることに<br>なるんですから……。しかもそれが心苦しくて告白したら<br>両親と喧嘩をしちゃいましたし
01a3 せつ菜:
0e07 両親を説得できるような説明ができなくて、<br>私は家出したんです。逃げてしまったんです
01a3 せつ菜:
0e08 その節は……同好会のみなさんにも迷惑をかけてしまって……
01a3 せつ菜:
0e09 そんなとき、あなたが言ってくれたんですよ。
01a3 せつ菜:
0e0a 「それじゃあ、せつ菜ちゃんの気持ちはわかってもらえないよ。<br>私が思うせつ菜ちゃんのすごいところは、自分の気持ちを相手に<br>伝える力があるところだよ」
01a3 せつ菜:
0e0b 「大好きなことを、まっすぐに大好きって言って、それが心からの<br>言葉なんだってわかるくらいまっすぐ私たちに向けてくれるのって<br>本当にすごいと思う」
01a3 せつ菜:
0e0c 「私はそんなせつ菜ちゃんの力に圧倒されているよ。そういうことを<br>ご両親にも伝えてみようよ。それでせつ菜ちゃんの大好きって気持ちを<br>わかってもらおう」って
019e <firstname>:
0e0d 私が……?
019e <firstname>:
0e0e (そんな熱い説得の台詞を、私が言ったの……?)
01a3 せつ菜:
0e0f はい! あなたの言葉のおかげで、私は両親と仲直りできましたし、<br>今ではスクールアイドル活動も応援してくれているんです!
01a3 せつ菜:
0e10 あなたは私を変えてくれたんです! 恩人です!
01a3 せつ菜:
0e11 私にとって、あなたはなくてはならない人になったんです!
019e <firstname>:
0e12 (……せつ菜ちゃんって、本当に情熱的な子なんだな)
019e <firstname>:
0e13 (そんな子が、私のためにここまでしてくれてる……)
019e <firstname>:
0e14 (私……思い出したい。思い出さなきゃ!)